仕事をやめた、という話
仕事をやめた。
およそ6年にわたる、勤め人としての生活に終止符を打った。
できればもう会社勤めはしたくない。
よほど環境の良い職場の、よほど適した仕事に誘われたら別かもしれないが。
とにかく、暫くは休養と、人間らしい生活を取り戻す事に集中したい。
退職の理由は、一口に言えば鬱病の悪化である。
より詳しく言えば、主治医の「働きながらこれ以上の緩解は難しいだろう」という判断が決定打となった。
そして私の中にも、「もう人間のフリをするのは限界だ」という思いがあった。
――いや、私はキグルミの人でもスピリチュアルの人でもないので、種族の自認は人間だが。
これまで6年だか7年だか、障害者雇用の時短勤務(なおホワイト職場であった)で働いてきた。
いつかは働くことにもっと慣れるはず、社会に適応できるはず、スキルアップをしたり勤務時間を延ばしたりして収入だって上がるはず、勤め人として立派にやっていけるはず――根拠もなく、或いは就労支援の人たちにそう言われたことを信じて、とにかく仕事を生活の中心として頑張ってきた。
その結果が、鬱を発症し、緩解と悪化を繰り返しながら徐々に右肩下がりになり、ベルトがずり落ちるほど痩せ、かと思ったら体重の最高記録を更新し、人間らしい生活習慣を失った今である。
世間では、仕事に対して「まず3年は頑張れ」などとよく言う。
……だが、もう良いだろう。私は頑張ったぞ。その倍頑張った。
もう「勤め人が絶望的に向いてない」と判断してしまっても許されるだろう。
と言うか私がそのように私を許す。もう誰がどう言おうと知らん。
勤め人が向いていないとなれば、やってみたい事は、たくさんある。
向いていないことを6年以上続けられたのだ。やりたいこと、向いていることを6年続ければ、きっと私の年収は会社員時代を超えるだろう。
今に見てろよ。