冬の限界レシピ
私は料理が嫌いだ。決して味付けに失敗したりダークマターを錬成したり指を切ったり火傷をしたりという事はないのだが、とにかく手の動きが遅くて時間がかかるし、一つ一つの作業を楽しめない。
炊事は私が最も嫌う家事である。
不幸中の幸いにして、私は食べる事に――正確には「食事」に――執着がない。間食としてコーヒーと甘味を摂取できれば三食のメニューはどうでもいいので、とにかく安くて栄養が摂れて楽な物を作ればよい。
というわけで、冬場はこれ以外マジで作っていないという、限界料理が以下である。
安くて栄養が摂れて楽なので、生活保護受給者の食事としては適しているような気もする。
【材料】
人参:買ってきた袋の半分
玉ねぎ:買ってきた袋の半分
青菜:1袋
にんにく:1片
しめじ:1袋の半分
胸肉またはササミ:約1kg
塩:大匙1
水:1L
《1》にんにくを適当にスライスし、塩と一緒に鍋に入れる。
《2》胸肉は皮を剥いで一口大に適当に切る(皮は脂質過多になるので捨てる)。
ササミの場合は適当に切るだけ。面倒なので筋取りはしない。
《3》電気ケトルで水1Lを沸かし鍋に入れる。中火でグラグラに沸き立つまで待つ。
《4》切った肉を鍋に入れて蓋をして少し待つ。
大体この間にまな板と包丁を洗う程度。茹ですぎて固くなる事度々。
《5》鍋の火を止め、余熱で火を通すつもりで冷めるまで待つ。
《6》肉を取り出す。茹でた肉の半分はタッパーに入れて冷蔵庫へ。
《7》しめじの石突を取り、適当に割いて肉を出した後の鍋に入れる。
《8》玉ねぎと人参を洗って適当に切り、鍋に入れて火にかける。大体中弱火くらい。
《9》青菜を洗って刻んで鍋に入れる。この作業が一番時間がかかる。
《10》十分に火が通ったら取り出した肉の残り半分を鍋に戻してすぐに火を止める。
◆◇◆完成◆◇◆
《1》この鍋から朝・晩に野菜150gと肉70gずつ取り出してレンジで温めて食べる。
《2》野菜をほぼ食べ終えたら残ってる材料を継ぎ足して再加熱して2回目を作る。
この時はニンニクの他にチューブ生姜を足したりする。
《3》2回目はきっちり食べきって鍋を洗ってから次のスープを作る。
温かいスープを作ったり食べたりすることが苦痛ではない季節、つまり秋~春はずっとこれを食べている。
小松菜かチンゲン菜か安い方を日替わりだったり、しめじよりエリンギが安かったり、いつもの胸肉かササミが特売かという微妙な違いはあるものの、半年以上この味がずっと続く。
冒頭で述べた通り「食事」には執着が無いので、これに飽きたり辛くなったりということはない(この程度の料理をするのも苦痛なのでそういう意味では辛い)。
たまーに普通の煮物(肉じゃがとか)を食べたくなる事もあるが、それも大抵は「ちょっと食べたいな」と思ってるうちに忘れてしまうし、他にも外食や買い食いをしない訳ではないので、不満はない。
何度も言うようだが、「安く栄養を摂る」為には自炊しなければいけない、という点を除いて。