春分らしいことをしてみた

 曲がりなりにも「魔法使い」を自称するのだから、ウイッカのサバトほどでないにしても、季節の節目に自然に思いを馳せ祈りを捧げるくらいの事はしたいものだと思い始めたのは何年前だったか。

 そして、実際にそのような事が出来たのは何回くらいだったか。
 ともかく、精神的・体力的な余裕がなく、ただその日がそうであると意識するだけで過ぎていく事が殆どだったのは確実である。

 そんな私にしては珍しく、今日はそれっぽい過ごし方ができた。

 それだけ体調が回復してきたとも言えるだろうか。

 

 今日は日の出時刻の前に起き、カーテンを開け、東の窓については窓自体も開けた。

 日の出の瞬間は残念ながら自宅から確認できないが、それでも時間を合わせて窓の外を拝む。それから水を汲み、ケトルではなく鍋で火を使って湯を沸かし、白湯とハーブティを用意する。

 やがて自宅からでも朝日が見えるようになれば、ハーブティといつもの今川焼――豆が使われていて朝イチでも食べやすいものが他に用意できなかった――を太陽に向かって掲げ、それを朝食とする。

 部屋中の窓を少しずつ開けて、一時間少々休憩。筋トレをして時間を調整し、午前中の程よい時間を使って近所の神社にお参り。
 帰りにはカスタードクリームを使ったケーキと、コンビニのゆで卵を買った。

 

 また、今日この日をきちんと迎えるために、部屋の片づけを全て済ませるのは間に合わないながら、トイレと浴室だけは入念に掃除をするなど、できる限りのことはしておいた。
 引っ越してきて初めてバスタブにお湯を張り、塩を入れて浸かることで入念な禊としてもいる。

 

 あとはデジタルデトックスでもしておこうかと思いながら過ごしていたものの、午後4時くらいには程よく手を付けられることがなくなってしまった。とても夕飯までには終わらないような事しか残っていない。
 ぼーっとするだけというのも何か違う気がしたので、諦めてパソコンを立ち上げ、勉強や参考としているブログをいくらか読み、そしてこのブログを書いた。

 SNSのタイムラインや掲示板、ソシャゲ、動画やweb漫画など、止め時の分からないコンテンツについては触れないでおく。

 

 ……儀礼を行うような理想的な過ごし方とは程遠いけれど、これはそれなりにそれなりな一日だったのではないのかな。

 あとは、遅くならないうちに就寝できればなお良しだ。